講演抄録

NEW!重枝 徹 先生 講演抄録

不正咬合に関する基礎知識

今回の講演は不正咬合に関する基礎知識についてお話させていただきます。歯並びの基礎的知識として、乳歯の萌出時期、乳歯列と乳歯の咬合、混合歯列と混合歯の咬合、永久歯と永久歯列の咬合を理解することで、乳歯から永久歯になり発生する不正咬合の分類や見分ける判断について基礎的な観点から具体例を交えて解説していきます。歯の萌出時期や咬合の発育の早さには個人差がある。そのためにこの発育段階を生物学的年齢の一つである歯齢dental age として用いることができ、Hellmanは咬合発育段階をstageⅠ~V、A~Cとして分類した。今の状況がどの段階でありその段階における重要な視点を踏まえて対応していくことが非常に重要となります。

正しい歯並びとは上下左右の歯がきれいに並んでいて食物が良く咬めること、そして上顎や下顎、頭蓋骨に付随する筋肉のバランスがよく機能的な運動も良好であることが考えられます。正常咬合とは、咬む位置において緊密な咬合をしていて永久歯の歯列の形態が馬蹄形であり上下顎の歯列の調和がとれていることである。

そして不正咬合、悪い歯並びの原因としては、遺伝的要因、あごの大きさと歯のバランス、悪い習慣・習癖、固いものをかむ習慣の減少、虫歯による乳歯の早期喪失、様々な原因が考えられます。不正咬合の分類としては一般的に歯科医院にて言われる種類としては以下のようなものがあげられます。叢生、反対咬合、上顎前突、開咬、交差咬合です。それでは、各不正咬合について例をあげて紹介していきます。不正咬合は上記の不正が様々に複合して発生していきます

本講演では乳歯から永久歯への生え替わりに関する基本的知識と歯の萌出と歯並びの関係について解説します。成長期のコントロールが重要ですが、人としての基本的生活習慣をしっかりとすることが大切です。しかし、それでも、悪くなってしまった歯並びに対して原因と対処法を考えて、治療可能であればしっかりと治療し正常になった咬合を継続させていくようにアフターケアーが大切です。

どのような経緯で不正咬合が発生し作られていく過程を理解することで多種多様な状態を把握していくことが理解へとつながります。

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