講師略歴・抄録



「MOOコンセプトに基づいた非抜歯治療 - 特に3級症例を中心に」
賀久浩生 多くの不正咬合は叢生があったり、あるいは前歯 の位置がよくない、それにより臼歯関係に問題が 生じ矯正治療を進めることになります。そうし た患者の症例は、臼歯が近心に傾斜していたり、 回転をしていたり、あるいは臼歯の位置が原因で 側方歯から臼歯の位置づけが悪くなり、それによ り犬歯の角度が悪くなったり、前歯が前突したり、 叢生が大きくなったりすることがあります。

こうした症例では、上顎も同様に近心傾斜、あるいは回転していたりします。これらが原因で小 臼歯部が狭窄し、前突や叢生になるわけです。そうしたことが不正咬合の原因の多くにあると考えていて、矯正治療の中で、抜歯・非抜歯、あるい はインビザラインの治療に限らず、臼歯にアプロ ーチしています。

こうした治療を行っていくと、まず、治療の安定性はどうなのかと言われることがあります。アメリカ矯正歯科学会誌(AJO)の2002年に出ている論文では、咬合の力と隣接面にかかる力が長期安定性に及ぼす影響を分析した研究があります。グッと強く噛んでいくと、アンテリアコンポ ーネントフォース(前方分力)と呼んでいますが、 咬合の力が隣接面に多く作用します。抜歯、非抜歯いずれのケースでも、グッと噛ん だ力が5番、6番に強く掛かるほど、そのケースは 後戻りの不安定な要素が大きく、臼歯が近心に傾 斜していたり回転していたりすることは長期安定 に影響を及ぼすことがあるのではないかと結論付けていますが、だとすると臼歯の位置をアップライトすることが長期 安定の観点から考えても理に適っているのではないかと思います。

今回のプレゼンテーションでは、3級症例を中心に皆さんとカリエールを用いた症例や、ミニスクリュー、またアライナー矯正がMOOコンセプトとどのようにリンクしているのかを考えていきたいと思います。


略歴
1989年 東京歯科大学卒業
1990年 カリフォルニア大学サンフランシスコ校歯学部 研修医プログラム 修了
1993年 ボストン大学歯科部 マスターコース 修了
1994年 東京都新宿区歌舞伎町にて、新宿矯正小児歯科を開業
1997年 東京都港区南麻布にて、麻布矯正歯科を開業
1999年 東京都渋谷区広尾にて、スーパースマイル国際矯正歯科広尾オフィスを開業 (麻布矯正歯科を閉院、移転開業)
2003年 東京都渋谷区大山町にて、スーパースマイル国際矯正歯科代々木上原オフィスを開業 (新宿矯正小児歯科を閉院、移転開業)

Close