日本成人矯正歯科学会

歯科医師向けセミナ-(第32回)抄録

みほ矯正歯科医院院長 山中 美穂
タイトル:シンフォニーⓇを用いた矯正治療の現状

医療DX(digital transformation)の推進に時代の流れが向かう中、歯科界にも様々なデジタル技術が取り入れられている。個人的には、歯科矯正学を学ぶにあたりセファロ分析をパソコンソフトで扱うことから教育されたため、“デジタル化にあまり抵抗はなかった”というアドバンテージはあったが、日常診療に埋没してDX化に思考を傾けることなく、新たなエネルギーや経費の投入なしに日々を過ごしていた。しかし、時代に乗り遅れたくない、少なくともついて行きたい、意識改革をしたいというぼんやりとした願望は持っており、2022年8月、シンフォニーⓇを導入した。まだ、1年あまりの日が浅い経験であるが、確かな手応えを感じている。

以下に私がシンフォニーⓇを選んだ理由を列挙する。
⒈ アナログ技術の限界を感じた
 ①ダイレクトボンディングのブラケットポジショニングに自信がなかった。
 ②複数のドクターで診療に当たる場合、自分の“経験”や“勘”や“職人技”を、デジタル技術で補う必要があると思った。
⒉ ディテーリング期間の短縮をしたいと思った
⒊ CTデータを連動できることに魅力を感じた
 現状の歯根・歯槽骨の位置・状態を加味した質の高い医療を提供できる。
⒋デジタル化するための敷居が低かった
 ①IOS(intra oral scanner:口腔内スキャナー)を持っていなくても利用できる。
 ②使い慣れたブラケットで技工依頼できる等の様々なバリエーションが用意されているため、デジタル化するための敷居が低く導入しやすかった。

Webセミナーでは、症例の実際(動処中)もご覧いただき、皆様の診療DX化の参考になれば嬉しく思う。

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