日本成人矯正歯科学会

歯科衛生士向けセミナー(第10回)抄録

日本成人矯正歯科学会副理事長 今村歯科・矯正歯科医院院長 今村 隆一
タイトル:歯科衛生士が知るべき歯の移動特性について

歯は一生動きます。歯周病やカリエスが無い健全な口腔環境の人でも生理的な歯の動きがあるのです。また、かみ合わせに不備や歯周病や不良な補綴物が装着された口腔では強い咬合力により障害を受けることがあります。いわゆる咬合性外傷により歯を支えている歯槽骨が障害を受けることで歯を支えられなくなり歯が異常な動きをみせます。これは病的な歯の動きと考えられます。

そこで病的な歯の動きを防ぐために歯列不正を治療する矯正治療が重要になります。矯正医は様々な矯正装置により多様なニーズに応えるべく日々努力しているのです。どの様な機序で歯が動き、矯正治療中の歯の動きの特性を知ることは治療を成功に導きくために大切です。また、治療中の患者様が訴える歯の移動に関する不安に対して答えられるスタッフになることは医院にとっては貴重な戦力となります。どうしても患者様は先生よりスタッフの皆さんに質問しやすいようです。歯の動きにつて優しく説明することで患者様の協力性も向上し、先生が予定している治療の進行にプラスになるのです。

今回は、矯正治療により歯がどのような機序で動くのか、歯の移動の特性についてなどを中心に解説したいと思います。少しでも明日からの臨床の一助にして頂ければ幸いです。

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