抄録



審美歯科と心美歯科
~職域を拡げ心美歯科を実践する
愛知学院大学歯学部特殊診療科教授
愛知学院大学歯学部附属病院審美歯科診療部部長
冨士谷盛興


審美歯科治療とはどういう治療でしょうか?私費中心の白く形の良い歯の獲 得でしょうか?いや,スマイルラインに合致したきれいな歯並びでしょうか? それとも,歯肉のラインまで整える補綴物調製でしょうか?もちろん,これら の治療に包含される Global-, Macro-, Micro-, Pink-Esthetics はすべて大事 ですし,押さえておかなければなりません。
では,前歯の界面金冠や金のバケツ冠は審美歯科治療から外れた治療でしょ うか?スマイルデザインのコンセプトを遵守するとそうかもしれません。しか し,審美歯科治療とは,「歯や歯肉の色(色彩美)や形態(形態美)などの自然 な外観と機能(機能美)をバランスよく回復して,体と心の健康(健口)美を 取り戻し,美しい笑顔の獲得とビューティフルエイジング(華麗な加齢)によ り,より豊かな社会生活に基づいた健康長寿(幸福(口福)な心の美)を獲得 したい」という患者の健康増進志向に応える治療であり,これを否定する歯医 者はいないと思います。審美歯科は心美歯科なのです。
ところで,昨今の週刊誌などでは,何もここまで言わなくても...というよう な歯科医師バッシングの記事が幾度となく掲載されています。日本において, はたして歯科医師の将来は暗いものなのでしょうか?巷では,「15 年後に歯科医 師パラダイスの時代が来る」という噂も耳にします。もちろん,近い将来,歯 科医師を取り巻く現在の暗い環境が,明るいものになって欲しいのはだれもが 望むところです。
本講演では,十数年後に国民に「選ばれる」歯科医師になるためのキーワー ドとして、「職域を拡げる」「心美歯科の実践」にフォーカスし,MIの概念に 基づいた歯科審美=歯医者が自分にやって欲しい治療について,多種の症例を 供覧しながらお話ししたいと思います。界面金冠もバケツ冠も審美歯科治療な のです。

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